きのこ狩りは毒きのこに注意
2021/03/27
きのこは、夏の気温が高く、その後適度な降雨があり、朝晩の気温が低下する時期に、多く発生します。
それに伴って増えるのが、毒きのこによる食中毒です。
毒きのこの食中毒件数は9月〜11月にかけて多くなっています。
キノコによる食中毒の発生場所はほとんどが家庭で、食用キノコと外見がよく似た毒キノコを間違って食べてしまうことが主な原因です。
きのこの食中毒事故は、ほぼ10種類以内の毒きのこによって引き起こされている
日本に生えている毒きのこは、約200種類あると言われていますが、毎年、食中毒を起こす毒きのこはレギュラー化されています。
ここで、特に食用きのこと間違え食中毒事故の多いきのこの種類を紹介します。
ツキヨタケ
毎年、食中毒事故No1の毒きのこです。
間違えてしまう1番の理由は、色がシイタケ(食用)にそっくりなことと、ヒラタケ(食用)とそっくりなことだからでしょう。
過去には死亡例もある猛毒菌です。
暗闇で、ひだがひかるという特徴があります。
中毒症状:食後30分~1時間程で嘔吐,下痢,腹痛などの消化器系の中毒症状が現れます。幻覚痙攣を伴う場合もあるが,翌日から10日程度で回復します。
クサウラベニタケ
いかにも美味しそうな見た目をしています。
ツキヨタケと同じくらい食中毒事故が発生しています。
食用のウラベニホテイシメジ(同じ時期、同じ場所に生える)やナラタケと間違いやすいです。
中毒症状:食後20分から1時間程度でおう吐、下痢、腹痛などの消化器系の中毒がみられます。発汗など神経系のムスカリン中毒の症状も現れます。
2015年10月現在、各地で食中毒が発生しているそうです。
スギヒラタケ
見た目がナメコや、クリタケといった食用きのこと似ているため間違えやすいきのこです。
かつて食用キノコとして知られていましたが、2004年に腎機能障害を持つ人が食べ、急性脳炎を発症する事例が相次ぎ、死亡例も報告されました。
中毒症状:食後数時間から 31 日、平均9日で脚の脱力感やふらつきなどがみられ、さらに数日経つと、筋肉の不随意運動、麻痺や全身性の痙攣、意識障害を起こします。軽症の場合には回復しますが、重症の場合には脳浮腫が進行し、死に至ることがあります。
中毒のメカニズムは現在も不明な毒きのこです。
毒きのこに当たらないために
「食べられそう」は「(毒に)当たりそう」
「美味しそうだったから」という食中毒原因が意外と多いです。きのこを見た目で判断してはいけません。
食欲は、判断力をくもらせる
人間は自分に都合良く考えがちです。ホンシメジが採りたいと思っていると何でもホンシメジに見えてきます。識別は冷静に行いましょう。
迷信にだまされてはいけません
「派手な色のきのこは毒」「縦に裂けるきのこには毒はない」など、このような言い伝えに根拠はありません。絶対信じてはいけません。
頂き物は、とりあえず疑う
近所の方が採取し、そのもらったきのこで食中毒になってしまうという例が少なくありません。自分で判断できないきのこは食べないようにしましょう。
生で食べてはいけない
例外をのぞき、きのこは生食しないようにしましょう。
食用できるきのこでも、生では有毒の可能性があります。
もしも毒きのこを食べてしまったら?
毒きのこを食べてしまった時の対処法
できるだけ早く病院へ行きましょう。時間が経つほど、多くの毒成分が体内に入ってしまいます。嘔吐物や食べ残しのきのこを病院へもっていくと、中毒した原因が特定しやすく、適切な治療ができる可能性が高いです。
きのこによっては、症状が現れるのに、1日以上の時間がかかる場合もあります。このような場合は、何時にどんなきのこを食べたかを正確に伝えることが重要です。
また、近隣の保健所に連絡することで、保健所にきのこ中毒の記録があれば、治療に当たって適切なアドバイスが受けられる可能性があります。